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予備心拍数(HRR)から強度別の心拍数を出す

内容の確認日

カルボーネン法は、安静時心拍数と最大心拍数からトレーニングの心拍数を決める方法です。目標心拍数 = 安静時心拍数 +(最大心拍数 − 安静時心拍数)× 運動強度。自分の数値を入れると、計算の各段階を表示します。心拍数の単位は回/分(1分間の拍動の数、bpm)です。

カルボーネン法の計算

18〜90歳

回/分。安静にしたあとに測った値

検査などでわかっている場合のみ

年齢を入力すると結果が表示されます。計算はすべてこのページの中で行われ、何も送信されません。

カルボーネン法とは?

目標心拍数 = 安静時心拍数 +(最大心拍数 − 安静時心拍数)× 運動強度 で求める方法です⁠[1]。たとえば45歳で安静時心拍数が64、推定最大心拍数が177回/分(田中式)の人なら、運動強度70%の目標心拍数は 64 + 113 × 0.7 ≈ 143回/分です。

計算式を順を追って

  1. 最大心拍数:実測値がある場合はその値を、ない場合は年齢からの推定値を使います。この計算ツールの初期設定は田中式(208 − 0.7 × 年齢)です⁠[2]。
  2. 安静時心拍数:朝起きてすぐなど、静かに休んだあとに測った値です。
  3. 予備心拍数 = 最大心拍数 − 安静時心拍数。運動中に心拍数が上がっていける幅のことです。
  4. 目標心拍数 = 安静時心拍数 + 予備心拍数 × 運動強度。運動強度は小数で表します(70% = 0.7)。

計算例

45歳、安静時心拍数64の人の場合、次のようになります。

  1. 最大心拍数(田中式):208 − 0.7 × 45 ≈ 177
  2. 予備心拍数:177 − 64 = 113
  3. 運動強度70%の目標心拍数:64 + 113 × 0.7 ≈ 143回/分

最大心拍数の70%だけで計算すると124回/分です。安静時心拍数を使うかどうかで、これだけの違いが出ます。

方法の由来

トレーニングの強度を、安静時から最大までの心拍数の幅に対する割合で表すという考え方は、1957年にフィンランドのマルッティ・カルボーネンらが行ったトレーニング研究にさかのぼります⁠[1]。「220 − 年齢」もカルボーネンが考えた式だとよく言われますが、これは誤りです。カルボーネン自身が、この式の歴史を調べた著者たちに、自分はこの式を発表したことはないと語っています⁠[3]。

運動科学では、安静時から最大までのこの幅を予備心拍数と呼び、米国スポーツ医学会(ACSM)は今も運動強度の定義に使っています。予備心拍数の30〜39%が低強度、40〜59%が中強度、60〜89%が高強度、90%以上が最大に近い強度です⁠[4]。米国の身体活動ガイドラインも、相対的な中強度に同じ40〜59%の区分を使っていますが、こちらは予備心拍数ではなく、有酸素能力の予備量(aerobic capacity reserve)に対する割合で表しています⁠[5]。

単純な割合ではなく予備心拍数を使う理由

最大心拍数に対する単純な割合では、45歳の人は誰でも同じ扱いになります。予備心拍数を使う方法では、これに安静時心拍数が加わります。安静時心拍数は人によって大きく違い、米国心臓協会(AHA)も、アスリートでは安静時心拍数が低いことがよくあると説明しています⁠[6]。そのため、最大心拍数が同じでも、安静時心拍数が違えば目標値が変わります。差がもっとも大きくなるのは強度が低いときで、100%ではどちらの方法でも最大心拍数に一致します。

その代わり、不確かさが一つから二つに増えます。推定した最大心拍数は約10回/分ずれることがあり⁠[2]、安静時心拍数も睡眠、ストレス、カフェイン、季節によって変動します。ウェアラブル機器の利用者92,000人以上を対象にした研究では、安静時心拍数が10回/分以上変わった週を少なくとも一度経験した人が、5人に1人いました⁠[7]。1回の測定値ではなく、何日かの朝のふだんの値を使ってください。

よく使われる運動強度

安静時心拍数は、10分ほど静かに座ったあとに、カメラでの測定かタップ式カウンターで測れます。

この計算の限界

よく寄せられる疑問

カルボーネン法の計算式は?

目標心拍数 = 安静時心拍数 +(最大心拍数 − 安静時心拍数)× 運動強度 です。かっこの中の部分を予備心拍数と呼びます。

予備心拍数(HRR)とは何ですか?どう計算しますか?

最大心拍数と安静時心拍数の差で、予備心拍数 = 最大心拍数 − 安静時心拍数 で求めます。運動中に心拍数が上がっていける幅のことで、カルボーネン法の土台になっています。

カルボーネン法の運動強度は何%で計算する例が多いですか?

ACSMは、予備心拍数の40〜59%を中強度、60〜89%を高強度としています⁠[4]。ゆっくりした持久系の運動は低めの側、インターバル練習は高めの側になるのが一般的です。このページの計算例では70%を使っています。

カルボーネン法は、最大心拍数の割合で求める方法より優れていますか?

安静時心拍数を取り入れるので、体力に合わせて結果が変わります。ただし推定した最大心拍数を使うことに変わりはないので、それだけで精度が上がるとは限りません。この個人差を反映できる点から、カルボーネン法を好むコーチは多くいます。

β遮断薬を飲んでいる場合は?

β遮断薬は心拍数を遅くすることがあり⁠[6]、安静時心拍数と最大心拍数の両方が変わります。年齢の式にはそれが反映されないので、目標値は医師などの医療専門職に相談してください。

最大心拍数はどれを使えばいいですか?

運動負荷試験で実測した最大心拍数があれば、どの式よりもそれが確かです。ない場合は推定式を一つ選び、使い続けてください。式によって結果がどれだけ変わるかは、計算ツールで確認できます。

出典

  1. Karvonen MJ, Kentala E, Mustala O. The effects of training on heart rate; a longitudinal study. Ann Med Exp Biol Fenn 1957;35(3):307–315. PubMed 13470504. 確認日 2026-10-09.
  2. Tanaka H, Monahan KD, Seals DR. Age-predicted maximal heart rate revisited. J Am Coll Cardiol 2001;37(1):153–156. doi:10.1016/S0735-1097(00)01054-8. 確認日 2026-10-09.
  3. Robergs RA, Landwehr R. The surprising history of the “HRmax = 220 − age” equation. J Exerc Physiol Online 2002;5(2):1–10. asep.org. 確認日 2026-10-09.
  4. Bishop DJ, et al. Physical activity and exercise intensity terminology: a joint ACSM Expert Statement and ESSA Consensus Statement. Med Sci Sports Exerc 2025;57(11):2599–2613 — Table 1, column “ACSM (2020)”, i.e. ACSM’s Guidelines for Exercise Testing and Prescription, 11th ed. doi:10.1249/mss.0000000000003795. 確認日 2026-10-09.
  5. U.S. Department of Health and Human Services. Physical Activity Guidelines for Americans, 2nd edition, 2018 (pp. 20, 56, 60, 109). odphp.health.gov. 確認日 2026-10-09.
  6. American Heart Association. All About Heart Rate (Pulse) (last reviewed May 13, 2024). heart.org. 確認日 2026-10-09.
  7. Quer G, Gouda P, Galarnyk M, Topol EJ, Steinhubl SR. Inter- and intraindividual variability in daily resting heart rate and its associations with age, sex, sleep, BMI, and time of year: retrospective, longitudinal cohort study of 92,457 adults. PLoS One 2020;15(2):e0227709. doi:10.1371/journal.pone.0227709. 確認日 2026-10-09.