子どもから大人まで、年齢ごとの安静時心拍数の範囲
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安静時心拍数は赤ちゃんのときがもっとも高く、成長とともに下がっていき、十代でほぼ落ち着きます。ここでは、出生時から高齢期までの基準値を、三つの資料から並べて紹介します。
年齢ごとの心拍数の一般的な範囲(正常範囲)は?
安静時心拍数は子どものうちに下がっていきます。中央値は、出生時で約127回/分、2〜3歳で110回/分、6〜8歳で91回/分、15〜18歳で73回/分です[1]。10歳から成人までについてMedlinePlusが示す一般的な範囲は60〜100回/分で[2]、米国の成人の中央値は男性67〜69回/分、女性70〜74回/分でした[3]。
年齢別の安静時心拍数をひとつの表で
| 年齢層 | 一般的な範囲[2] | 典型的な値(中央値)[1][3] |
|---|---|---|
| 新生児(0〜1か月) | 70〜190 | 127(出生時)、143(0〜3か月) |
| 乳児(1〜11か月) | 80〜160 | 140(3〜6か月)、134(6〜9か月)、128(9〜12か月) |
| 1〜2歳 | 80〜130 | 123(12〜18か月)、116(18〜24か月) |
| 3〜4歳 | 80〜120 | 104(3〜4歳) |
| 5〜6歳 | 75〜115 | 98(4〜6歳) |
| 7〜9歳 | 70〜110 | 91(6〜8歳)、84(8〜12歳) |
| 10歳以上(成人・高齢者を含む) | 60〜100 | 78(12〜15歳)、73(15〜18歳);成人:女性 70〜74、男性 67〜69 |
| よく鍛えたアスリート | 40〜60 | — |
一般的な範囲は、幅の広いおおまかな目安です。中央値は、研究の対象になった健康な子どもや大人の真ん中が実際にどこにあったかを示しています。
子ども:出生時から18歳までのセンタイル
2011年に医学誌The Lancetに掲載されたシステマティックレビューは、子ども143,346人の心拍数データを含む69件の研究をまとめ、下のセンタイル表を作りました[1]。心拍数の中央値は出生時に127回/分で、生後1か月ごろに約145回/分でピークとなり、2歳までに約113回/分まで下がっていました。1〜99センタイルの列を見ると、どの年齢でも健康な子どもの値の幅がいかに広いかがわかります。
| 年齢 | P1 | P10 | P25 | 中央値 | P75 | P90 | P99 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 出生時 | 90 | 107 | 116 | 127 | 138 | 148 | 164 |
| 0〜3か月 | 107 | 123 | 133 | 143 | 154 | 164 | 181 |
| 3〜6か月 | 104 | 120 | 129 | 140 | 150 | 159 | 175 |
| 6〜9か月 | 98 | 114 | 123 | 134 | 143 | 152 | 168 |
| 9〜12か月 | 93 | 109 | 118 | 128 | 137 | 145 | 161 |
| 12〜18か月 | 88 | 103 | 112 | 123 | 132 | 140 | 156 |
| 18〜24か月 | 82 | 98 | 106 | 116 | 126 | 135 | 149 |
| 2〜3歳 | 76 | 92 | 100 | 110 | 119 | 128 | 142 |
| 3〜4歳 | 70 | 86 | 94 | 104 | 113 | 123 | 136 |
| 4〜6歳 | 65 | 81 | 89 | 98 | 108 | 117 | 131 |
| 6〜8歳 | 59 | 74 | 82 | 91 | 101 | 111 | 123 |
| 8〜12歳 | 52 | 67 | 75 | 84 | 93 | 103 | 115 |
| 12〜15歳 | 47 | 62 | 69 | 78 | 87 | 96 | 108 |
| 15〜18歳 | 43 | 58 | 65 | 73 | 83 | 92 | 104 |
回/分。P=センタイル(パーセンタイルと同じく、下から何%の位置かを示します)。Fleming et al. 2011, Web Table 5.
米国の調査データ
NHANESは1999年から2008年にかけて、米国在住者全体を代表するように選ばれた人々を対象に、座った姿勢での安静時脈拍を測定しました。脈拍に影響する病気がある人や、脈拍に影響する薬を使っている人は除かれています[3]。乳児と幼い子どもは胸に聴診器を当てて数え、5歳からは手首で数えています。
| 年齢 | 女性:5〜95パーセンタイル | 女性:中央値 | 男性:5〜95パーセンタイル | 男性:中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 1歳未満 | 104〜156 | 127 | 102〜155 | 125 |
| 1歳 | 95〜139 | 117 | 95〜137 | 114 |
| 2〜3歳 | 88〜125 | 107 | 85〜124 | 104 |
| 4〜5歳 | 76〜117 | 95 | 74〜112 | 92 |
| 6〜8歳 | 69〜106 | 87 | 66〜105 | 83 |
| 9〜11歳 | 66〜103 | 83 | 61〜97 | 78 |
| 12〜15歳 | 60〜99 | 79 | 57〜97 | 74 |
| 16〜19歳 | 58〜99 | 77 | 52〜92 | 69 |
| 20〜39歳 | 57〜95 | 74 | 52〜89 | 69 |
| 40〜59歳 | 56〜92 | 71 | 52〜90 | 68 |
| 60〜79歳 | 56〜92 | 70 | 50〜91 | 67 |
| 80歳以上 | 56〜93 | 71 | 51〜94 | 68 |
NHANESの数値は、米国疾病対策センター(CDC)の国立衛生統計センター(NCHS)が公開しているパブリックドメインのデータです。引用していることは、CDC、NCHS、米国政府による推奨や承認を意味するものではありません。
年齢層ごとのおおまかな範囲
米国国立医学図書館(NLM)のMedlinePlusは、安静時の範囲を次のように大まかに示しています[2]。
| 年齢層 | 安静時心拍数(回/分) |
|---|---|
| 新生児(0〜1か月) | 70〜190 |
| 乳児(1〜11か月) | 80〜160 |
| 1〜2歳 | 80〜130 |
| 3〜4歳 | 80〜120 |
| 5〜6歳 | 75〜115 |
| 7〜9歳 | 70〜110 |
| 10歳以上(成人・高齢者を含む) | 60〜100 |
| よく鍛えたアスリート | 40〜60 |
成人については、米国心臓協会(AHA)も同じ60〜100回/分の範囲を用いており、運動習慣のある人では安静時に40回/分まで低いこともあるとしています[4][5]。
資料によって数値が違う理由
よく見ると、資料ごとに数値が一致していません。新生児について、MedlinePlusは70〜190回/分としていますが、The Lancetのレビューでは出生時の1〜99センタイルは90〜164回/分です。理由はごく一般的なもので、対象になった子どもの集団が違う、起きているときか眠っているときか、数え方が違う、どこで線を引くかの考え方が違う、といったことです。幅の広い範囲は手早く使えるおおまかな目安で、センタイル表はもとになったデータの実際のばらつきを表しています。
成人では、60〜100という広い範囲がNHANESの分布の中央部分をカバーしていますが、この調査では男性の約15%、女性の約7%の安静時脈拍が60回/分未満でした[3]。広い範囲はおおまかな目安であり、健康と不健康を分ける境界線ではありません。
具体例
7歳の子どもの安静時の脈拍が95回/分だったとします。MedlinePlusの7〜9歳の範囲は70〜110回/分なので、95はその範囲内です。The Lancetのセンタイルでは、6〜8歳の75センタイルは101回/分、中央値は91回/分なので、95は中央値と75センタイルの間にあり、よく見られる値です。
注意点
- 基準値の表は集団について示したものです。健康な人でも、範囲の上の端や下の端に近い値になることがあります。
- 扱っているのは安静時の値だけです。子どもが動いているときや泣いているときに測った値は比べられません。
- 小児科医やその他の医療専門職は、別の基準を使っていることがあります。
この数値の使い方
自分の安静時心拍数を同じ年齢・性別の人と比べるには、安静時心拍数の比較を使ってください。測るときは、まず10分間静かに休んでから[2]、カメラでの測定かタップ式カウンターを使います。子どもの場合は、どの範囲を使っているかを小児科医に尋ねてください。子どもが泣いているときや走り回っているときに測った値は、安静時の値ではありません。
AHAは、心拍数がその人にとって急に非常に高く、または非常に低くなったときは、特に胸の痛み、息切れ、めまい、失神がある場合に、お住まいの地域の緊急通報番号(日本は119)に電話するよう勧めています[4]。
よく寄せられる疑問
子どもの心拍数はどれくらいが一般的ですか?
年齢によって大きく違います。安静時の典型的な値は、2〜3歳で約110回/分、6〜8歳で91回/分、12〜15歳で78回/分で、それぞれの値のまわりに、健康な子どもでも広いばらつきがあります[1]。
新生児の心拍数はどれくらいですか?
The Lancetのレビューでは、出生時の中央値は127回/分で、1〜99センタイルは90〜164回/分でした[1]。MedlinePlusは、生後1か月までについて70〜190回/分という広い範囲を示しています[2]。
中高生の安静時心拍数はどれくらいですか?
The Lancetのレビューでは、安静時の中央値は12〜15歳で78回/分、15〜18歳で73回/分でした[1]。10歳以上について、MedlinePlusは60〜100回/分という広い範囲を示しています[2]。
何歳ごろに大人と同じくらいの心拍数になりますか?
十代の半ばから後半ごろです。NHANESでは、16〜19歳の安静時脈拍の中央値は男性69回/分、女性77回/分で、成人の値に近くなっていました[3]。
高齢になっても心拍数は下がり続けますか?
あまり下がりません。NHANESでは、成人の中央値は20代から80代まで67〜74回/分の間にとどまっていました[3]。
これらの値は、どのような条件で測られたものですか?
NHANESでは、数分間休んだあと、起きている状態で座って測っています。The Lancetのレビューは多くの研究をまとめたもので、それぞれの測り方は下にリンクした論文に書かれています。
出典
- Fleming S, Thompson M, Stevens R, et al. Normal ranges of heart rate and respiratory rate in children from birth to 18 years of age: a systematic review of observational studies. Lancet 2011;377(9770):1011–1018 (Web Table 5). PMC3789232. 確認日 2026-10-09.
- MedlinePlus (U.S. National Library of Medicine). Pulse (review date Jan 1, 2025). medlineplus.gov. 確認日 2026-10-09.
- Ostchega Y, Porter KS, Hughes J, Dillon CF, Nwankwo T. Resting pulse rate reference data for children, adolescents, and adults: United States, 1999–2008. National Health Statistics Reports no. 41. National Center for Health Statistics, 2011 (Tables 1–3). cdc.gov. 確認日 2026-10-09.
- American Heart Association. All About Heart Rate (Pulse) (last reviewed May 13, 2024). heart.org. 確認日 2026-10-09.
- American Heart Association. Target Heart Rates Chart (last reviewed Aug 12, 2024). heart.org. 確認日 2026-10-09.