年齢と安静時心拍数から5つの心拍ゾーンを割り出す
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年齢と、わかっていれば安静時心拍数から、5つのトレーニングゾーンを計算します。最大心拍数の推定式はすべて並べて表示します。式どうしの差は、多くの人が思っているより大きいからです。心拍数の単位は回/分(1分間の拍動の数、bpm)です。
心拍ゾーン計算
年齢を入力すると結果が表示されます。計算はすべてこのページの中で行われ、何も送信されません。
40歳の心拍ゾーンはどうなりますか?
田中式で最大心拍数を推定すると 208 − 0.7 × 40 = 180回/分 となり、最大心拍数の50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%、90〜100%にあたる5つのゾーンは90〜107、108〜125、126〜143、144〜161、162〜180回/分です。安静時心拍数が60なら、予備心拍数(カルボーネン法)によるゾーンは120〜131、132〜143、144〜155、156〜167、168〜180回/分です[1][2][3]。
5つのゾーンの由来
最大心拍数の50〜60%から90〜100%まで、10%刻みで区切るおなじみの5ゾーンは、心拍計メーカーの慣習です。Polarはこれを「非常に軽い」「軽い」「中程度」「きつい」「最大」と呼び[3]、Garminは同じ割合に「ウォームアップ」「イージー」「エアロビック」「閾値」「最大」という名前を付けています[4]。公衆衛生の機関は運動強度を別の形で、中強度・高強度といった二つか三つの大まかな区分で示しています。こちらは目標心拍数のページに載せています。表のゾーン名と、各ゾーンの感じ方の説明は、これらのメーカーのガイドに沿っています。
割合を心拍数に換算する二つの方法
最大心拍数に対する割合は、最大心拍数にそれぞれの割合を掛ける方法です。必要なのは年齢だけで、上で触れた心拍計メーカーのガイドもこの方法で説明しています。
予備心拍数(HRR)に対する割合は、1957年のトレーニング研究でこの方法を示したフィンランドの生理学者の名前から、カルボーネン法(カルボーネン式)とも呼ばれます[2]。安静時心拍数を出発点にして、安静時と最大の差の一定割合を足します。目標心拍数 = 安静時心拍数 +(最大心拍数 − 安静時心拍数)× 割合 です。同じ年齢でも、安静時心拍数が52の人と78の人ではゾーンが変わるので、平均的な心臓ではなく、自分の心臓に合わせたゾーンになります。上の計算ツールに安静時心拍数を入れると、自動的にこの方法に切り替わります。計算の手順はカルボーネン法のページにまとめました。
二つの方法では、出てくる数字がかなり違います。40歳で安静時心拍数が60の場合、最大心拍数に対する割合(田中式)で求めたゾーン2は108〜125回/分、予備心拍数で求めたゾーン2は132〜143回/分です。どちらかが間違っているわけではなく、物差しが違うのです。どちらか一方に決めて、もう一方の方法を前提にしたアドバイスとは混ぜないようにしましょう。
どの最大心拍数の推定式を使うか
推定式はどれも、集団のデータに当てはめた平均です。もっとも広く使われている「220 − 年齢」は、統計的に当てはめたものですらありません。1971年に、公表されていた約35のデータ点を目分量でなぞって引いた線です[5][6]。田中式(208 − 0.7 × 年齢)は351件の研究・18,712人を対象にしたメタ分析から導かれ、健康な成人514人の実験室研究で確かめられました[1]。ゲリッシュ式は成人132人を908回のトレッドミル検査で追跡したもの[7]、ネス式は健康なノルウェー人3,320人のデータに当てはめたもの[8]、グラティ式は女性5,437人のデータによるものです[9]。計算ツールの初期設定は田中式です。式を切り替えると、ゾーンがどれだけ動くかがわかります。
実際の一人ひとりの値は、どの線の周りにもばらつきます。田中式の研究では標準偏差が約10回/分[1]、ネス式の研究では標準誤差が10.8と報告されています[8]。真の最大心拍数が172の40歳も、196の40歳も、ごく普通にいるということです。運動負荷試験で実測した最大心拍数がわかっていれば、それを入力すると推定値の代わりに使われます。
2025年に米国スポーツ医学会(ACSM)とESSA(Exercise & Sports Science Australia)が出した共同声明も、同じことを反対の側から指摘しています。最大心拍数や予備心拍数の決まった割合で運動を処方すると、人によって実際の強度区分が違ってしまう、というものです[10]。ゾーンは出発点として使い、実際の体感と照らし合わせてください。
ゾーンの使い方
米国の身体活動ガイドライン(Physical Activity Guidelines for Americans)は、中強度の有酸素運動を週150〜300分、または高強度の運動を週75〜150分、あるいはその組み合わせを推奨しています[11]。数字を使わずに手早く確かめる方法が「トークテスト」です。中強度の運動中は話はできても歌うことはできず、高強度では息継ぎをせずに話せるのは数語までです[12]。
薬の中には心拍数を変えるものがあります。たとえば米国心臓協会(AHA)は、β遮断薬で心拍数が遅くなることがあると説明しています[13]。脈拍に影響する薬を飲んでいる人や、心臓の病気や異常がある人は、年齢の式に頼らず、どの目標値が合うかを医師などの医療専門職に相談してください。
計算例
52歳、安静時心拍数66の人の場合です。田中式による最大心拍数は 208 − 0.7 × 52 = 171.6 で、四捨五入して172回/分。予備心拍数は 172 − 66 = 106回/分です。各ゾーンは「安静時心拍数 + 予備心拍数 × そのゾーンの下限の割合」から始まり、次のゾーンの下限より一拍低い値で終わります。
| ゾーン | 予備心拍数に対する割合 | 下限の計算 | 心拍数 |
|---|---|---|---|
| ゾーン1(非常に軽い) | 50〜60% | 66 + 106 × 0.5 | 119〜129回/分 |
| ゾーン2(軽い) | 60〜70% | 66 + 106 × 0.6 | 130〜139回/分 |
| ゾーン3(中程度) | 70〜80% | 66 + 106 × 0.7 | 140〜150回/分 |
| ゾーン4(きつい) | 80〜90% | 66 + 106 × 0.8 | 151〜160回/分 |
| ゾーン5(最大) | 90〜100% | 66 + 106 × 0.9 | 161〜172回/分 |
この計算の限界
- 18〜90歳の成人が対象です。推定式は成人のデータに当てはめたものです。
- 年齢から推定した最大心拍数は、個人では約10回/分ずれることがあり、それに合わせてすべてのゾーンがずれます。
- 心拍数を変える薬を飲んでいると、年齢にもとづくゾーンは当てになりません。
- 5ゾーンの区分は心拍計メーカーの慣習であり、医学的な基準ではありません。
よく寄せられる疑問
最大心拍数の推定式は、どれがいちばん当たりますか?
個人にぴったり当てはまる式はありません。田中式は「220 − 年齢」よりはるかに多くのデータにもとづいていて、70歳になると両者の差はすでに約10回/分あります。どの式を使っても、個人の値は線の周りに約10回/分ばらつきます[1][8]。
安静時心拍数は入力したほうがいいですか?いつ測ればいいですか?
わかっていれば入力してください。ゾーンが自分の体力に合ったものになります。朝、または10分ほど静かに座って休んだあとに測り、できれば数日分測って、ふだんの値を使ってください。
ゾーン1〜ゾーン5は、それぞれ最大心拍数の何%ですか?
50〜60%から90〜100%まで、10%刻みです(安静時心拍数を入れた場合は予備心拍数に対する割合)。Polarはそれぞれを「非常に軽い」「軽い」「中程度」「きつい」「最大」と呼んでいます[3]。
時計やアプリによって心拍ゾーンが違うのはなぜですか?
時計やアプリによって、使っている最大心拍数(「220 − 年齢」のことが多いほか、運動の記録から学習した値など)、予備心拍数を使う方法かどうか、ゾーンの区切り方が違うことがあります。数字だけでなく設定を比べてください。
子どもにも使えますか?
いいえ。推定式は成人のデータに当てはめたものなので、計算ツールで入力できる年齢は18〜90歳です。
ゾーン2はいわゆる「脂肪燃焼ゾーン」ですか?
ここでのゾーン2は、単に最大心拍数または予備心拍数の60〜70%のことです。ゾーン2に特別な効果があるのかについては、研究レビューで疑問が示されています。詳しくはゾーン2のページをご覧ください。
同じ数値をAPIで取得できますか?
はい。同じ計算を /api/zones からJSON形式で利用できます。使い方はAPIのページ(英語)で説明しています。
出典
- Tanaka H, Monahan KD, Seals DR. Age-predicted maximal heart rate revisited. J Am Coll Cardiol 2001;37(1):153–156. doi:10.1016/S0735-1097(00)01054-8. 確認日 2026-10-09.
- Karvonen MJ, Kentala E, Mustala O. The effects of training on heart rate; a longitudinal study. Ann Med Exp Biol Fenn 1957;35(3):307–315. PubMed 13470504. 確認日 2026-10-09.
- Polar. Heart rate zones: the basics (training guide). polar.com. 確認日 2026-10-09.
- Garmin. How you can train by heart rate zones using Garmin (blog, Mar 28, 2025). garmin.com. 確認日 2026-10-09.
- Fox SM, Naughton JP, Haskell WL. Ann Clin Res 1971;3(6):404–432 (the origin of “220 − age”, as reproduced and analysed by Robergs & Landwehr 2002). PubMed 4945367. 確認日 2026-10-09.
- Robergs RA, Landwehr R. The surprising history of the “HRmax = 220 − age” equation. J Exerc Physiol Online 2002;5(2):1–10. asep.org. 確認日 2026-10-09.
- Gellish RL, Goslin BR, Olson RE, et al. Longitudinal modeling of the relationship between age and maximal heart rate. Med Sci Sports Exerc 2007;39(5):822–829. doi:10.1097/mss.0b013e31803349c6. 確認日 2026-10-09.
- Nes BM, Janszky I, Wisløff U, Støylen A, Karlsen T. Age-predicted maximal heart rate in healthy subjects: the HUNT fitness study. Scand J Med Sci Sports 2013;23(6):697–704. doi:10.1111/j.1600-0838.2012.01445.x. 確認日 2026-10-09.
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- American Heart Association. All About Heart Rate (Pulse) (last reviewed May 13, 2024). heart.org. 確認日 2026-10-09.